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設立前の費用は創立費といい、「その設立のために通常必要と認められる費用」、たとえば、設立登記のために支出した登録免許税などは、いったん繰延資産とよばれる資産勘定に置いたうえで、費用化(償却)していくことになります。繰延資産は一定の計算ルールに従って償却するのが通例ですが、この創立費に関しては、任意とされています。したがって、黒字が出るまで償却をしないで、黒字が出るに応じて償却することが認められています。

設立後の費用のうち、事業を開始するまでの間に開業準備のために特別に支出する費用のことを開業費といいますが、これも創立費と同じく、繰延資産として計上したうえで、任意に償却を行なうことができます。

ただ、中小企業の会計に関する指針(平成23年度版)では、創立費、開業費ともに、償却期間は5年内で、月割り計算をすることとされていますので、同指針に準拠した決算書を作成する必要がある場合には留意が必要です。

また、上記取扱いは、あくまでも法人税に関するものです。所得税の場合はそもそも「創立費」はありませんし、また、開業費は5年均等償却とされています。

(法人税法2条14号、同施行令14条、法人税法32条、同施行令64条、法人税基本通達8-1-1号、所得税法2条1項20号、同施行令7条、所得税法50条、同施行令137条、中小企業の会計に関する指針39-43)

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